2024.11.22

明治21年の創業から今も受け継がれ続ける職人達の技と想いをお客様にお届けしたい。

豊かな宇和海の恵みと伊達の文化に育まれた街、宇和島の地で130年以上の長きに亘り地域に愛され続けてきた田中蒲鉾本店の代表取締役専務 田中忠助さんに、ものづくりにかける思いやエピソードを語っていただきました。

2024年10月22日(火)放送 「『22_Ehime』モノ・がたり」より抜粋、編集
聞き手 南海放送ラジオ「Top Up」プレゼンター 百合田 彩

今回お話を聞いた方
株式会社田中蒲鉾本店 代表取締役専務
田中 忠助さん
Tadasuke Tanaka
仕出し店を前身に1888年(明治21年)11月に蒲鉾店として創業して以来、130年以上の長きに亘り、宇和島のじゃこ天・蒲鉾のトップブランドとして多くの地元の人に愛され続けた同社は、全国の百貨店やネット通販を通じてより多くのお客様からの支持を得ている。
仕出し店を前身に1888年(明治21年)11月に蒲鉾店として創業して以来、130年以上の長きに亘り、宇和島のじゃこ天・蒲鉾のトップブランドとして多くの地元の人に愛され続けた同社は、全国の百貨店やネット通販を通じてより多くのお客様からの支持を得ている。
百合田  まずは田中蒲鉾本店についてご紹介ください。

田中  田中蒲鉾本店は宇和島で1888年、明治21年に創業し、今年11月で136年目になります。これまで歴史を重ねてこられた理由は、地元の宇和海近海で獲れた新鮮で上質な魚を主原料にした職人たちの妥協のないものづくりによるものと考えています。

百合田  私は宇和島出身なので、田中蒲鉾さんといえば老舗の名店ですし、商品と言えば、何よりも「じゃこ天」のイメージが強いのですが、この「じゃこ天」はいつからある食べ物なのでしょうか?

田中  じゃこ天の歴史は諸説ありますが、その一つとして、初代宇和島藩主の伊達秀宗公が宇和島に入部した際に仙台から連れてきたかまぼこ職人が、宇和島の新鮮な小魚を使って考案したものと言われています。

百合田  考案していただいて本当に良かったなと思います。今では宇和島のじゃこ天は全国的に有名になりましたが、地元では、それぞれの家庭で贔屓のお店があったり、食べ方が違ったりしますよね。

田中  宇和島には古くはかなり多くのお店があって、今でも20店舗くらいじゃこ天やかまぼこを作っているお店があります。そのような中、地元宇和島の皆さんは慣れ親しんだ近所のお店でよく買っておられて、「代々このかまぼこ屋さんじゃないとうちはダメだ」みたいなことがよく言われています。
百合田  22_Ehimeには「産地直送 あげ巻入り詰め合わせセット」と「産地直送 手押しじゃこ天入り詰め合わせセット」の2点を出品されていますね。どちらも美味しい練り物が盛りだくさんで、いずれも消費税、送料込みで5,500円。クール便でのお届けになります。商品についてご紹介ください。

田中  まず「産地直送 あげ巻入り詰め合わせセット」ですが、こちらは揚げ巻き1本とじゃこ天8枚、エビちくわ2本、かまぼこ2本をセットにしています。
特に揚げ巻きですが、宇和海近海で獲れた新鮮な魚のすり身に地元の老舗豆腐屋さんが手揚げした特注の油揚げを職人が一つ一つ丁寧に巻き上げて作った商品になっています。

百合田  この揚げ巻きは、私大好きなのですが、頻繁には買えないのです。高級品なのでね。なるほど、一本一本手で職人が巻かれているのですね。魚のすり身の食感がプリップリで、揚げの薄さも絶妙で、とても美味しいです。
田中  ありがとうございます。次に「産地直送 手押しじゃこ天入り詰め合わせセット」ですが、こちらは手押しじゃこてんが10枚、エビちくわ2本、かまぼこ2本を詰め合わせています。

百合田  じゃこ天は、美味しいのはもちろんなのですが、香りが良かったです。魚を感じられてちょっと感動しました。

田中  じゃこ天の材料はホタルじゃこと言いますが、当社は宇和海近海で獲れる身の締まった良いホタルじゃこを主原料に、他の小魚を数種類ブレンドしています。
特に臭みのない魚本来の風味をお客様が楽しんでいただけるよう、油の使い方など自社ならではの工夫も施しながら、高い技術を持った職人が手間をかけて作っています。

百合田  職人さんのこだわりを感じるじゃこ天ですが、冷蔵庫から出してそのままパクッと頂いても、焼いて食べても美味しいです。私はうどんに入れることもありますが、田中専務のおすすめの食べ方があれば教えてください。
田中  じゃこ天を軽く炙ってお好みで生姜醤油をつけていただくのがよいですが、私が幼い頃、祖母がちらし寿司やカレーや焼きそばにお肉の代わりにじゃこ天を入れて作ってくれていました。

百合田  それは是非やってみたいと思います。さて、135年の伝統を引き継ぐことでご苦労もあるかと思いますが、いかがでしょう。

田中  私は家業に入って5年経ちました。その間、職人の皆さんとともに一生懸命頑張らせていただきながら、135年の歴史で変えるべき部分と変えてはいけない部分を見極めていくことに苦労しました。

百合田  変えるべきこともありましたか。

田中  まだ一部ですが、販売面でデジタル技術を積極的に取り入れています。一方で製法ではあえてアナログを追求することを心がけています。
百合田  今後、創業150年に向けて、宇和島の伝統の味と技術を引き継いでいただけると嬉しいです。最後にお客様にメッセージをお願いします。

田中  今年11月に136年目を迎えますが、これから150年を目指して頑張っていく所存です。近年、地元海産物の仕入れ環境が厳しくなる中、宇和海近海産の魚のすり身にこだわった商品を一生懸命作っています。ぜひこの機会に当社製品をご賞味いただければ有難く思います。

百合田  今日のゲストは宇和島市にある田中蒲鉾本店 代表取締役専務 田中忠助(たなかただすけ)さんでした。ありがとうございました。