室町時代から続く、生糀で作った自家製糀甘酒を使用したもっちり歯切れのよいベーグルが完成！

鳥生　最初に、堤製パンさんについて簡単にご紹介いただけますか？

堤　　当社は昭和8年に愛媛県三島町（現在の四国中央市）で創業し、今年で90周年を迎えます。現在、本社はお隣の香川県観音寺市にあり、スーパーやショッピングモールの中にインストアベーカリーとして出店しています。また本社工場では店舗用のパン生地やベーグル、クッキーなどの焼き菓子も製造しています。

鳥生　インストアベーカリーということは、ひょっとしたら私も出会っているかもしれませんね。愛媛県内だと直営のパン屋さんはどれくらいあるのでしょうか？

堤　　愛媛県内には15店舗(2023年3 月時点)ほどあり、南海放送様から一番近いところでしたらスーパーマーケット「コープ余戸店」様の店内に「パナデリナ チボリ余戸店」があります。

鳥生　きっとご存じの方、通っているよという方もいらっしゃるのでしょうね。堤さんのパンの特徴をお話いただきたいです。

堤　　食パンやフランスパン、各種菓子パンや調理パンなど、様々なタイプのパンの焼き立てでご用意しています。その中でもあんぱんにホイップクリームを注入した「ホイップクリーム金時」という商品やフランスのポワレという調理法を取り入れた牛肉入りカレーフィリングをたっぷり包んだ「カレーパンNo.1」など、こだわりのパンが特徴です。

鳥生　それとグランプリにも出品されたのですね。

堤　　そうですね。おかげさまで、3年ぶりに開催された「第8回パングランプリ愛媛」 にて、甘酒仕込みの瀬戸内ベーグルのオレンジ＆ホワイトチョコが「松山市長賞」を受賞いたしまし た。

鳥生　前回2020年にもパングランプリを受賞されていますので、それに続くという形になるのですね。

堤　　前回は、食パンプレーン部門で「四国生クリーム食パン」が最優秀賞をいただきましたので、それに続いての受賞になり大変光栄だと思っております。

鳥生　今回受賞された甘酒仕込みの瀬戸内ベーグルの特徴を教えてください。

堤　　同じ観音寺市内に500年以上前からこうじを作っている「津久茂発酵所」という老舗の糀屋さんの米こうじで自家製の糀(こうじ)甘酒を作りまして、それをベーグル生地に練り込み、もっちり歯切れのよいベーグルが完成いたしました。砂糖やマーガリンなどの油脂類、食品添加物を一切使用しておらず、甘酒の自然で優しい甘みが特徴です。

鳥生　身体にも優しく、美味しいということですね。商品開発には、ご苦労や知恵が詰まっていると思いますが、そのあたりも少しご紹介いただけますか？

堤　　ベーグル自体非常にシンプルなパンで、乳製品や卵、バターに砂糖といった原材料を使用しておらず、その中で美味しいと感じていただけるにはどうしたらよいか、何度も試作を繰り返しました。

鳥生　ご苦労にご苦労を重ねて、あの味が実現したということですね。