2024.08.22

食文化の発信基地「あすも」には、「昔ながらの生活習慣や食文化を取り戻しませんか。良いものは残していきませんか。明日も一歩一歩私たちと」と言う思いを込めました。

愛媛・宇和島の食文化や食の安全安心を守り、高齢者も子供も笑顔になる地域の場を作ることを理念にする企業組合津島あぐり工房代表理事の山下由美さんに、商品にかける思いやエピソードを語っていただきました。

2024年7月22日(月)放送 「『22_Ehime』モノ・がたり」より抜粋、編集
聞き手 南海放送ラジオ「Tips」プレゼンター 百合田 彩

今回お話を聞いた方
企業組合津島あぐり工房 代表理事
山下 由美さん
Yumi Yamashita
企業組合津島あぐり工房は、2003年に愛媛県旧津島町(現在の宇和島市津島町)にて「食」と「農」に関心のある農家女性4人で立ち上げた「あぐり工房」から始まる。それから20年以上もの活動を経て、現在は法人化のもと、旧宇和島市立浦知小学校の「あすも」を拠点に、地元農産物を使った加工品の製造、販売、店舗経営などを行い地域に大きく貢献している。
企業組合津島あぐり工房は、2003年に愛媛県旧津島町(現在の宇和島市津島町)にて「食」と「農」に関心のある農家女性4人で立ち上げた「あぐり工房」から始まる。それから20年以上もの活動を経て、現在は法人化のもと、旧宇和島市立浦知小学校の「あすも」を拠点に、地元農産物を使った加工品の製造、販売、店舗経営などを行い地域に大きく貢献している。
百合田  津島あぐり工房について、ご紹介ください。

山下  私たちは、2012年8月に、これまで法人格を持たずに活動してきた農産加工施設を「企業組合津島あぐり工房」として再出発させ、食文化の発信基地として「あすも」という店舗を構えました。それまで、地域の中で昔から作られてきたお味噌やお菓子を、高齢者の人たちから受け継いで次の世代に贈ることを中心に活動していて、加工品をずっと作ってきたのですが、それらをたくさんの人に提供できる場所として「あすも」を構えたわけです。昨日、今日、そして明日も、未来永劫続くというような意味合いを込めて「あすも」という名前を付けました。

百合田  私は宇和島出身なので、「津島あぐり工房」も「あすも」も存じ上げておりますし、地域の食文化を次の世代に継承するために、麦味噌やみがらし※などを商品にされていることが、本当に嬉しいし、有難く思います。

※みがらし・・・愛媛県南予地方に伝わる甘辛い調味料で、同地方の甘口味噌・麦味噌と和辛子に、酒、酢、砂糖を加えて混ぜたもの。

山下  ありがとうございます。
百合田  津島あぐり工房さんは、22_Ehimeに2つの商品を出品されています。1つ目は「あすものふるさとの味ギフト」消費税送料込みで4,900円。2つ目は「完熟みかん大福アソート12個入り」消費税送料込みで5,500円、クール便でのお届けです。それぞれの商品についてご紹介ください。

山下  「あすもふるさとの味ギフト」は、私たちが一番力を入れている「元気もん」という商品を中心に5種類の加工品を詰め合わせました。「元気もん」は地域のおばちゃんたちから受け継いだ私たちが一番大切にする商品で、大豆といり粉を揚げて砂糖醤油に絡めたものです。小さなお子さんにはおやつとして喜ばれますし、大人の方ですとビールのおつまみに最適です。
他には、「みがらしみそ」、私たちが作った味噌をふんだんに使った「焼肉のタレ」、そして愛媛県が生産量全国1位を誇るはだか麦を使った「激カタ激ウマビスコッティ」、更に宇和島の野菜を使った「宇和島の野菜せんべい」になります。どれもふるさと愛媛を感じられる商品ですので、ぜひご注文してご賞味いただきたく思います。
百合田  続いて、「完熟みかん大福アソート12個入り」についてお願いします。

山下  みかん大福は愛媛県下たくさんの事業者さんで作られていて、私たちは作り始めるのが遅かったのですが、6年前の西日本豪雨で、愛媛県下でも有数の産地である宇和島のみかん畑も大きな被害を受けたことをきっかけに、宇和島のみかんを全国に発信していきたいという思いで作り始めました。
そして契約農家さんからいただく3Sサイズのみかんを使ったこの大福は、本当にめっちゃ美味しいって言いたくなるくらい、すごく美味しく出来上がったので、この大福を色々展開していこうということで、普通のプレーンの「契約農家みかん完熟大福」、それからみかんに白あんを包んでその上にチョコレートをコーティングした「みかん&チョコ大福」、そのチョコレートがいちごチョコレートの「みかん&苺チョコ大福」、それら3つを組み合わせた商品にしました。
百合田  私も事前にいただきましたが、商品の箱を開いた瞬間、うわーって思わず歓声が出るくらい嬉しい気持ちになりましたし、3Sサイズという可愛らしいみかんがまるっと1個入っていて、食後でも大変美味しくいただけました。あとチョコ大福はパリッとした食感もいいですね。

山下  その食感がものすごくいいと思います。

百合田  それから、「みかん&苺チョコ大福」は、パリッとしたチョコの食感、いちごの酸味、みかんの甘さ、これら3つのバランスがもう絶妙で、こんな大福食べたことがないくらいすごく感動しました。

山下  作り手の私たちもこんな美味しい大福食べたことないって思っていて、自信を持ってお贈りできる商品になっています。
百合田  ところで、津島あぐり工房さんの各商品についてのお客様の感想や手応えはいかがですか?

山下  特に「元気もん」についてですが、「昔、給食に出ていたね」っていうような反応をいただいて、「懐かしい」というお言葉をたくさんいただいています。道の駅などでもとてもよく売れますし、通販でも一度食べた方から追加注文があるなどリピーターになっていただいている方もいます。

百合田  津島あぐり工房さんは、立ち上げられて12年になるということですが、これまでを振り返っていかがですか?

山下  農家女性だけで立ち上げた農産加工施設を2012年に法人化して店舗の「あすも」を構えるまでにな ったのですが、やりたいこと、それからやらないといけないこと、使命感というものが明確に自分の中で持てていたので、これまでがむしゃらに走ってこれたと思っています。
また、自分の弱みだったり強みだったりをはっきり自分の中で分析する中で、もう弱みだらけの人間ってことをいろんな人に知ってもらうことで、いろいろな人が手を差し伸べてくれたり、弱みを補ってくれたり、そういう仲間にとても助けられた12年間だったと思います。特に、中学校からの先輩で共に歩んできた料理長がいなかったら、今までやってこれなかったと思いますし、この方と一緒に走ってこれたというのが何よりもありがたいことだなと思っています。
百合田  これからも愛媛・津島の食文化をどんどん発信していただきたいと思います。山下さん、最後にお知らせなどありましたらお願いします。

山下  私たちは、店舗の「あすも」を廃校の旧宇和島市立浦知小学校へ2年前に移転しました。そこで月に2回、「ふれあいモーニング」というのをやっています。これも6年前の西日本豪雨災害をきっかけに、地域の人たちが互いにつながっていこういうことで、私たちの場所を使って月に1回から2回、みんなでご飯を食べて話したらどうだろうかという呼びかけをしました。そして現在、バイキング形式で皆さんにご飯を食べてもらうという取り組みをしていますので、ぜひ一度来ていただいて、ご飯を食べながら日頃の悩みや他愛もない話をしていただく、そんな時間を持っていただきたいなと思っています。

百合田  ふれあいモーニングは、旧宇和島市立浦知小学校の「あすも」での月2回(第2・第4日曜日の9時~13時)の開催ですね。今日のゲストは企業組合津島あぐり工房 代表理事の山下由美さんでした。ありがとうございました。